サブリース契約の仕組み

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投資物件の入居者が決まらないと、収入を得ることができません。そのため、長期間空室が続くという事態は避けたいものです。そのため、入居者がいなくても保証料が支払われるサブリース契約を結ぶ人が増えています。メリットが目立つ制度ですが、本当にいいことばかりの制度なのでしょうか。

サブリース契約を結ぶ前に!家賃保証相場や仕組みは理解してる?

握手するビジネスマン

不動産投資をするにあたって、一番避けたいのは入居者がいつまでも決まらないという事態。家賃収入がゼロになるばかりか、物件の維持費だけが掛かってマイナスが発生してしまいます。しかし、この不安要素を解消してくれる制度が存在するのです。それが、「サブリース契約」。入居者がいない間も収入が保証されるということで、契約する方が多い制度です。
では、サブリース契約さえ結んでおけば何の心配もいらないのでしょうか?残念ながら、そうではありません。この制度の仕組みやデメリットについてもよく理解したうえで、契約が本当に必要かどうか判断していきましょう。

初心者でも分かる!サブリース契約の基本

まずは簡単にサブリース契約の仕組みについて説明していきます。
サブリースというとイメージがつきにくいかもしれませんが、「又貸し」「転貸」と言えばわかりやすいでしょうか。購入した投資物件を不動産会社に借りてもらい、不動産会社がその物件をさらに貸し出すといった仕組みになります。投資物件のオーナーは不動産会社に物件を貸し出している、ということになりますので、入居者がいなくても不動産会社から料金の支払いを受けることができるのです。この際支払われるのは「家賃」ではなく、「保証料」。保証料は家賃から1割~2割が差し引かれた額となるのが一般的で、入居者に直接物件を貸し出した場合と比べると得られる収入は低くなります。

サブリース契約のメリット・デメリット

サブリース契約の仕組みについては、なんとなくご理解いただけたでしょうか?では次に、サブリース契約を結ぶことによって得られるメリットとデメリットについて見ていきましょう。

メリット

入居者不在時の心配がない

サブリース契約を結ぶことの一番のメリットはこれです。入居者不在の状態が続いても保証料が支払われるので、赤字経営になってしまう可能性が低いです。さらに物件の維持管理も丸投げで任せられるので、物件の管理にまで手が回せないという方でも安心でしょう。

入居者とのトラブルを避けられる

例えば、家賃を滞納している入居者がいたとしても、その入居者と契約を結んでいるのは不動産会社。オーナーは不動産会社から保証料を受け取るだけなので関係ありません。入居者との直接的な関わりがないことで、不要なトラブルを避けられるというのもよい点ですね。

面倒な手続きが簡単になる

サブリースであれば、複数の入居者がいてもオーナーの収入は不動産会社から得る保証料のみ。収支管理がシンプルになるので、税理士がいなくても管理をすることが可能ですし、確定申告も簡単になります。確定申告はただでさえ時間が取られるものですので、簡単であるに越したことはありません。

デメリット

得られる収入が減る

サブリースの仕組みを説明したときにも触れましたが、サブリースによって得られる保証料は家賃の9割~8割程度です。場合によっては8割を下回ることも。あまりにも保証料が低いと、採算が取れなくなる可能性があるので注意しましょう。

入居者を決められない

入退去手続など、入居者と直接やり取りをするのは不動産会社。そのため、物件の所有者でありながら入居者を選ぶことはできません。自分の目でどのような人物か確かめてから入居してもらうことができないのを不安に思うのであれば、あまりこの制度は向かないかもしれないですね。

保証料の見直しが入る

サブリース契約を結んだときに決められた保証料は、そのまま継続されるわけではありません。定期的に保証料の見直しが入り、ほとんどの場合下げられます。長期間のサブリース契約を考えているのであれば、「保証料が下がっていく」ということを念頭に置いて計画を立ててください。

「デメリットと言っても少し収入が減るだけでしょ?」と考えている方は少なくありません。私もそのひとりでした。もちろん得られるメリットは多いのですが、同じだけデメリットがあります。自分にとってメリットの方が上回るのか、デメリットの方が上回るのか今一度考えてみましょう。

サブリース契約の相場って?費用について理解しよう

ここで改めて、サブリースによって発生する費用の相場を確認していきます。

オーナーが支払う費用

家賃の1割から2割程度。支払うとはいっても、不動産会社から支払われる保証料からあらかじめ差し引かれていますので、特に手続きをする必要はありません。

不動産会社が支払う費用

家賃の8割から9割程度。これが、オーナーの得る収入となります。

上記がサブリース契約の相場。ちなみに、家賃は周辺にある物件の家賃相場を参考にして決められます。ただし、入居者を確保しやすいようにするため、家賃相場よりも低めの賃料が設定されることが多いでしょう。
また、保証料の相場に幅があるのは、家賃と保証料を決める基準が不動産会社によって異なるから。どこの不動産会社とサブリース契約を結ぶかによって、得られる収入は変わってくるのです。

サブリース契約を結ぶ前に確認!5つのチェックポイント

オーナーが得ることのできる収入額を左右する不動産会社選び。では、一体どのような不動産会社と契約を結べばよいのでしょうか。チェックすべきポイントを5つ、ご紹介します。

チェックポイント1:保証料

保証料が相場の8割~9割を下回るようであれば要注意。必ず収支計算をして、採算が取れることを確認しましょう。
また、保証料だけでなく家賃も併せて確認してください。例えば、A社の保証料が8割でB社の保証料が9割だった場合、B社の方がよさそうに見えます。しかし、A社の賃料設定が10万円でB社の賃料設定が8万円であった場合、得られる収入が大きくなるのはA社なのです。

チェックポイント2:更新料と敷金

オーナーが見落としてしまいがちなのが更新料と敷金の取り扱いについてです。入居者の入退去手続は不動産会社が行うものであり、入居条件はオーナーに知らされないことがほとんど。更新料について入居者へきちんと伝えられているかの確認と敷金の引き継ぎをきちんとできるようにするために、入居条件は事前に確認させてもらうようにしましょう。このあたりを曖昧にするような会社であると、あまり信用できないかもしれませんね。

チェックポイント3:保証料の見直し期間

ほとんどの場合、2年~3年毎に保証料の見直しが入ります。契約の仕方によっては5年毎など期間が長い場合もありますが、どんな契約であっても見直しが入ることに変わりはありません。「15年保証」「30年保証」という謳い文句のサブリース契約であると、その期間中ずっと同じ保証料であるような印象を受けますが、それは違います。保証料の見直し期間について、ぼかした説明をせずに根拠をしっかりと説明してくれるような会社であればまず安心できるでしょう。見直しの実績も確認できるとなおよいです。

チェックポイント4:違約金

契約するのは簡単ですが、解約するのは難しいのがサブリース契約です。解約するために設けられている条件は厳しいものが多く、違約金の設定も高額であることがほとんど。見直しによって下げられた保証料に納得がいかなくても、すぐに解約するというのは難しいでしょう。つい契約書の内容を流して読んでしまうという方でも、解約条項までしっかりと確認するべきです。
また、あまりにも常識はずれな解約条件を設定しているような不動産会社は、一度契約を考え直すことをおすすめします。

チェックポイント5:入居者情報共有の可不可

個人情報は自由に共有していい情報ではありません。そのため、不動産会社からオーナーに入居者情報が共有されることはないでしょう。しかし、サブリース契約を解約した場合、入居者へ振込先の変更について速やかに連絡しなければなりません。そのときにはどうしても入居者情報が必要となりますので、解約後の入居者情報共有が可能であるかどうか確認しておきましょう。解約後であっても共有を拒否するのであれば、別の会社を検討した方がいいですね。

確認を徹底しないとだめ!?サブリース契約にまつわるトラブル

書類を見る女性

サブリース契約にはメリットだけでなくデメリットがあるということは、もうご理解いただけたでしょう。このデメリットについてよく考えなかったり契約内容をよく確認しないまま契約を結んでしまうと、思わぬトラブルに発展する恐れがあります。
ここで、サブリース契約から発生し得るトラブルの例を見ていきましょう。

賃料設定が安すぎる

サブリース契約によって物件を貸す場合、周辺の家賃相場よりも安い賃料が設定されることが多いと説明しました。ですが、その設定された賃料が「安すぎる」というケースがあるのです。このとき、周辺の家賃相場や物件の評価ポイントに関する知識がなければ、相手に言われるままに安い賃料を設定されて損をすることになります。このような事態に陥らないためにも、まずは家賃相場や物件の評価ポイントについて事前に調べておきましょう。そして、提示された賃料については根拠をしっかりと説明してもらうことが大切です。

物件の管理がずさん

サブリース契約を結ぶメリットとして、物件の維持管理を任せられるということがあります。しかし、悪質な不動産会社に当たってしまうと、維持管理に手を抜かれることがあるのです。入居者がいなくならないよう、ギリギリの水準は守りますが、そのような低い水準での管理では当然物件の状態に差が出ます。ひどいと資産価値が下がってしまったり、原状回復させるための出費が嵩んでしまったりということもあるようです。維持管理の水準を下げさせないためにも、定期的に物件の状態をチェックするといいでしょう。

不動産会社の倒産

倒産はすべての会社に起り得るリスクです。つい保証料ばかり目がいってしまいがちですが、もしものときの保全措置がしっかりしているかということも、必ず確認してください。これがないと、受け取るはずだった賃料や敷金が会社とともに消えることになります。また、倒産リスクを見極めるのはなかなか難しいことですが、契約を決める前に会社の経営状況と財務体質を見て、できる限りの判断をしましょう。

サブリース契約を結ぶ前にしっかり勉強することが大切

メリットが目立つサブリース契約ですが、いいことばかりではありません。しかし、契約する不動産会社選びや利用計画さえしっかりとできれば、オーナーにとってプラスになるものです。サブリース契約で失敗しないためには、まずメリットとデメリットをよく理解すること。そして、不動産投資に関する勉強にある程度の時間を掛けることが大切なのです。自分に知識がなければ、悪質な会社を見抜くことはできませんからね。