不動産投資で利益を出しながらの節税は可能か?

ブタの貯金箱

不動産投資で得た利益は課税の対象となりますが、一定の条件下においては節税することも可能です。しかし、節税対策を行なう前には投資と節税本来の意味をしっかりと理解しておきましょう。

不動産投資の前に知っておきたい税金について

デスクで計算

不動産投資を行なっていると、必ずと言って良い程「節税対策」というキーワードを聞くことになります。節税とはそもそも、納める税金を軽減させることを意味しますが、不動産投資とはどのように関係してくるのでしょうか。この2つの関係性を詳しく見ていきましょう。

税金が安くなる?節税と不動産投資の関係

そもそも、不動産投資を行なう理由は何でしょう?投資、つまり利益を生み出すために行なっている行為です。つまり、利益を出す以上は国に納める税金は発生してきます。投資は+(プラス)の行為、節税は-(マイナス)の行為になります。これを逆転させては、本来の意味をなさなくなります。

投資物件の購入初年度が勘違いの元?

多くの方が陥る節税対策のパターンがあります。それは物件購入初年度のしばりです。初年度は以下の項目を経費として計上できてしまうため、必然的に納める税金の額が少なくなります。

①借入金利
②固定資産税
③減価償却費
④修繕費
⑤火災保険料
⑥その他投資に関わる出費(交通費など)

上記の項目を経費として申請すれば、確かに節税の効果は期待できます。しかし、これは一時的な効果でしかなく、投資で利益を出さなければ徐々に持ち出しが増えて、結果的には赤字経営となってしまうでしょう。そもそも、節税と投資の意味合いが全く違うということを冷静に理解するべきです。

しかし、節税対策が全く行なえないというわけではありません。不動産や税金に関わる法律や仕組みを理解すると、節税だけでなく資産形成も可能になってきます。詳しい解説は次で行なっていきます。

節税の効果は内容次第!

誰でも納める税金は少ない方が得だと考えます。しかし、投資を行なっている上で、節税するにはどのような対策を行なえば良いのか、また個人と法人ではどのように異なってくるのかを調べていきます。

不動産投資と所得税について

個人の場合

個人で不動産投資を行なっている場合、不動産投資で「赤字の計上」が確認されると一部の所得税が戻ってくることがあります。例えば、会社員として働き勤めて給料が発生していると、いくらかの所得税が給与から天引きされていますが、この金額から赤字分を取り戻すことが可能です。その仕組みが下記のようになっています。

不動産にかかる税金

引用元:株式会社ライフサービス 不動産を保有される際の税金

ちなみに、所得税の額は給与所得の源泉徴収票で確認することができます。下記の図④の項目の金額が給与から天引きされている部分が所得税となります。しかし、赤字の計上で節税効果が得られるのは、不動産投資以外からの収入がある間のみと考えましょう。

源泉徴収票の見方

引用元:みんなの給与計算教室 【最新版】これくらいは知っときたい、源泉徴収票の見方!

法人の場合

法人での不動産投資は、個人よりも多くの節税効果があります。何故なら、個人の所得税は収入が上がるのと比例するのに対して、法人は税率が一定になるように設定されていたり、軽減措置があったりと優遇されています。また、下記のように不動産で得た収入は法人の売上高になり、そこから給与という形で分散することで給与所得控除を受けることができます。これを、家族全員を従業員として行なうと、より多くの給与所得控除が可能になり、節税効果が得られるということになります。

参考URL:日本橋相続税相談室 不動産所有法人の設立・運営サポート

不動産投資と相続税について

個人の場合

不動産の相続は現金の財産に比べて、相続税評価額が低くなります。例えば、現金100万円の価値はそのまま100万円となりますが、100万円で購入した不動産は、経過年数や公示地価など、様々な項目から算出され100万円以下の資産と見なされることがあります。つまり、相続税を抑えたいなら不動産で資産を相続した方が節税できることになります。

相続の流れ

引用元:株式会社 REEDアルファ

法人の場合

家族を会社役員として置けば、法人名義の不動産投資で得た売上高は給与として支払うことができるので、贈与税がかからず資産を移行することができます。つまり、法人(会社)というフィルターを通すことで、贈与税をカットすることができます。また、生前で法人を退職した場合には、退職金所得控除の対象となるので高い節税効果を得ることができます。

減価償却費が節税に繋がる!?不動産投資のメカニズム

不動産投資を行なう上で知っておきたい言葉、それは「減価償却費」です。この減価償却費をうまく活用すると節税の効果を得ることができるようになっています。

減価償却費とは何か?

車や不動産など、一定期間の使用ができる資産の購入費用を分割して計上する仕組みです。減価償却費は、建物の種類や材質による耐久年数を元に算出され、減価償却費は経費として計上できるため、その金額が多ければその分節税効果は大きいでしょう。ただし、不動産物件に関しては定額法で減価償却費が算出されるので、毎年計上できる金額は一定になります。

減価償却費のダメージは帳簿上だけ?!

毎年、減価償却費が発生することは、不動産投資を行なっていく上でマイナスなイメージに感じますが、実際には帳簿上で発生する費用に過ぎず、実際のお金の流れとは異なってきます。減価償却費は不動産所得を算出するにあたり、追加される項目であり実際に売上高から引かれるものではありません。不動産物件の資産価値に影響するという点ではマイナスですが、一定の家賃収入を得るならむしろプラスとなって作用してくれます。下のような図式なら課税対象は100万円で済みます。

参考URL:有限会社ミトミ 不動産投資の肝「節税戦略」

節税だけを目的にするのはリスクが大きい

頭を抱える女性

不動産投資を行ないながら行なえる節税もありますが、本来の目的は投資で利益を出すことです。節税が目的で投資を行なうのではないので、この両者で矛盾が生じてしまうと損失に繋がるので注意しましょう。では、不動産投資における節税は、どのようなポイントをこころがければ良いのでしょうか?

不動産投資で安定収入

安定した収入を長期的に得たい、このように考えることが不動産投資で成功する秘訣です。物件価値の値上がりを期待して投資を始めるにはリスクが高くまた、節税効果にしても一過性のものとして考えるべきであり、家賃収入もなく物件を保有するだけでは当然赤字になります。

節税スキーム?とんでも商法には気をつけよう!

不動産業界では「節税スキーム」などという、専門用語を謳い文句にセールスを行なう業者も存在しています。聞きなれない言葉を使われると、混乱して流されてしまいそうですがスキーム(scheme)は計画、または計画に関する枠組みを表す言葉です。要するに節税効果のある不動産物件があります!と宣伝していることになりますが、安易に手を出すと資産そのものを失うことになるので気をつけましょう。